前回はモナコインに関連したプロダクト、つまりモナコイン周りのサービスについてまとめた。
興味があれば前編と中編も読んで頂きたい。
【仮想通貨】国産・モナコイン($MONA)を徹底解説~前編~
【仮想通貨】国産・モナコイン($MONA)を徹底解説~中編~
現時点で最終となる後編では、モナコインがどのような仮想通貨なのか、モナコイン自体について解説していく。
プロダクトや歴史など、前編、中編のほうが読みやすい内容だと思うが、投資するにあたりどのようなプロジェクトなのか、その仕組みについてもぜひ知っておくべきだと思う。
しかし、モナコインには仮想通貨の説明書とも言えるホワイトペーパーが存在しない、できるだけわかる範囲で記載していきたい。
ということで、モナコインはどのような仕組みの仮想通貨なのか、ビットコインなどとどのような点が違うのかも含めて見ていこう。
モナコインとは
ざっくりとおさらい。
モナコインは、モナーというアスキーアート(AA)をモチーフにした日本生まれの仮想通貨で、ネット上の投げ銭やサービスの対価として使われている。
2014年の元日に公式版がリリースしてから、もうすぐ8年が経とうとしているが、ビットコインのように証拠金取引で投機的な取引が活発にされるものではないにも関わらず、日本人から長く愛されているの興味深いというか、個人的にも嬉しいと思える部分だ。
ファンが多く、その周辺で作られたプロダクトも多い。
アーティストもファンがいるから食べていけるように、モナコインも細く長く続いているのはファンがいるからだ。
これは2ch(現5ch)由来のネット住民の力が大きいと言えるだろうか。
今では、Twitterをはじめさまざまなコミュニティで関連プロダクトが盛り上がっているNFTの流行もあり、モナカードのやり取りが積極的に行われているのを見かける。
モナコインの基本的な仕組み
まずは、モナコインの基本について見ていこう。
ブロック生成時間:90秒
総発行枚数:1億512万枚
ブロック報酬:12.5MONA
※2021年12月1日現在
この時点で、すでに総発行枚数の約8割近くが発行されている。
参照:モナコイン情報サイト
ICOなどの資金調達もなく誕生しているのも興味深い部分だ。
モナコインのベースはライトコイン
モナコインはビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)と同じく、マイニングをして新規発行するスタイルの仮想通貨だ。
ライトコインのソースコードを用いて作られたため、技術的にはライトコインによく似ているし、ベースにもなっている。
ただし、ライトコインと違う点はいくつもある。
ライトコイン(LTC) | モナコイン(MONA) | |
ブロック生成時間 | 2分半 | 90秒(1分半) |
供給枚数 | 8400万枚 | 1億512万枚 |
ベースにはなっているが使い道や仕組みも違うし、規模も当然違う。
モナコインは細々とやっているイメージがあるが、海外で知名度の高いライトコインに負けず劣らず、国内での認知度は強い。
アップデートでビットコインベースへ
ライトコインベースのモナコインだが、今年のアップデートによってビットコインをベースにしたプロジェクトへ変貌した。
MONA のアップデートは
ひっそりと14日
🎊Core version 0.20.2へ🎉ライトコインベースから
ビットコインベースへ😆新しい旅路のはじまり🐱$MONA #MONA #モナコイン #monacoin #暗号資産 #仮想通貨 #アップデート pic.twitter.com/eiiwvhS1fs
— ニイタク@BTCFX (@niizeki_BTC) November 17, 2021
「一部は互換性を持たせるためにライトコインコアに基づいているが、このアップデート以降、モナコインコアはビットコインコアに基づく」と記載されている。
コンセンサスアルゴリズムはPoW
モナコインのコンセンサスアルゴリズムは、Proof of Work (プルーフオブワーク)と呼ばれるものだ。
コンセンサスアルゴリズムとは、取引のデータを承認するにあたり、権限を得るための方法を指す。
PoWの場合、Workは「計算力」のことで、コンピューターによってより多くの計算をして、特定の条件を満たした人(マイナー)に対し、権利を与えている。
この権利が、新たな報酬(モナコイン)をもらえる権利、つまりマイニングにつながる。
ビットコインやライトコインのコンセンサスアルゴリズムも、モナコインと同じくPoWだ。
コミュニティ団結力は高いが完全分散型
モナコインはコミュニティの団結力が高いことで知られている。いわゆるオタクの支えがあるからこそここまで広まったと言えるが、モナコイン自身は誰かが管理・運営しているものではない。
それぞれのユーザーのパソコン、つまりノードと呼ばれる人たちが実行するプログラム上で動いているシステムだ。
モナコイン公式であるモナコインプロジェクトのチームも、ユーザーと同じ条件でしかコインが入手できなくなっている。
つまり、開発者もユーザーも自分でモナコインを買うか、マイニングによって手に入れるかという方法だ。
ほかのプロジェクトは開発者やチームが開発費としてある程度保有していたり、トークンセールをして一部のユーザーに配布したりするものだが、その点においてモナコインは公平性が高いと言えるだろう。
過去には、セキュリティを高めるためにジャッジノードと呼ばれるノードを設置していたが、この仕様は非公開になっており、のちに廃止されている。
所謂マスターノードに移行したら戻れなくなる点と、Bitcoinの仕様から大きく逸脱することで関連技術の流用が難しくなる。
対してジャッジノード案は所詮一時的な対策であり、現仕様のまま導入・廃止がいつでも可能。
今のMonacoinはCoreだけで成り立ってるわけではないので。 https://t.co/0qvHubYUPO— monacoinproject (@tcejorpniocanom) September 14, 2018
実はすごいヤツだった
いつぞや、ブログか何かでモナコインについて「かわいいだけ」「コンセプトはいいけど、仮想通貨としては微妙」と書かれていたのを見たが、そんなことはない
実はモナコイン、他のアルトよりも実用性に優れた部分があり、技術的にも対応力が高い仮想通貨と言われている。
Segwit(セグウィット)への対応
モナコインは2017年4月にSegwit(セグウィット)へ対応した。
- Segwit(セグウィット)とは?
Segregated Witness(セグレゲーテッド・ウィットネス)の略で、取引データ(トランザクション)の大きさを圧縮して、1つのブロックに詰め込めるデータ量を増やす技術のこと。
トランザクション詰まり、いわゆる「送金詰まり」を解消するための方法だ。
送金詰まりとは、取引のデータが確約されない状態なので、いつまでたってもウォレットや取引所に送金できない、着金しないという状態だ。
仮想通貨はブロックにデータを詰め込み、それがインターネット上で順番に格納されていくイメージだ。
だからブロックにデータを入れないと、いつまでたっても取引は完了しない。
ビットコインなど仮想通貨の知名度が高くなり取引量が増えたことで、ブロックにおさまりきらなくなったというワケだ。
ビットコインも現在はSegwitに対応しているが、対応前は数十万件の取引が手続きを待っている状態だったことも…w
モナコインはビットコインよりも先に、世界でもっとも早くSegwitに対応したアルトコインとして知られている。
ビットコインは2017年8月23日、モナコインは2017年4月27日だ。
日本ユーザーが多いこと、完全分散型ながらも意見のとりまとめがスムーズにいったことで、Segwitへの対応が速かったという。
アトミックスワップの成功
モナコインは、2018年にアトミックスワップに成功している。
- アトミックスワップとは?
異なるブロックチェーン間で交換できる技術のこと。取引所や第三者の介入なく交換できるのが特徴。
その当時アトミックスワップに成功したのは、モナコイン⇔ディークレッド(DCR)と、ビットコイン(BTC)だ。
基本的に、金銭のやり取りを行うときは、銀行や仮想通貨取引所など第三者が間に入ることで取引におけるトラブルやリスクを軽減させている。
しかし、アトミックスワップは第三者が必要ない。
交換するコインに鍵をかけて相手に送り、相手からも鍵のかかったコインを送ってもらう。
先に相手へ送った鍵は、自分がコインと鍵をもらうと解除される仕組みで、相手が鍵を解除すると自分もコインの鍵を解除できるようになっている。
こちらが鍵を解除できないなど不正があれば、たとえ相手が鍵を解除したとしても中のコインは手に入れられないし、一定時間が経つとコインは返送されるので安心だ。
異なるブロックチェーン間でコインを交換し合えるアトミックスワップ、モナコインはアルトコインの中でもいち早く成功した実績を持っている。
その他、モナコインについてあれこれ
最後に、モナコインに関する話題を詰め込んでおくが、ファンダとして知っておきたい半減期についても簡単に解説する。
次の半減期は2023年10月予定
マイニングによって得られる報酬の量が変化するタイミングを、半減期と言う。
その名の通り、このタイミングを過ぎると現在の報酬量は半分になるため、12.5MONAから6.25MONAになるということだ。
次の半減期は3,153,600ブロックの予定で、2023年の10月1日とされている。
だが、この日時はあくまで目安のため前後することを知っておこう。
モナコインの取引高は日本がナンバーワン
国産コインとして当然と言えばそうだが、モナコインは日本の取引所でもっとも取引されている。
24時間あたりの出来高はbitbankがダントツの1位で、Zaif、bitFlyerと続く。
海外取引所では、BittrexやCoinEXで売買されている。
モナコインの今後について
モナコインは日本の仮想通貨界隈に深く根付いて土台はすでにできているしファンも多い、技術的にも申し分ないだろう。
だが、課題はもちろんある。
海外に向けた知名度アップや、二重支払いなどのリスクを伴う51%攻撃が行われる可能性が高いこと、市場拡大などが挙げられる。
特に、51%攻撃はすでに経験済み (前編を読んでほしい)
二重支払いなどのトラブルがまた起こる可能性もあるが、この点は取引所が承認数を上げて対応できる。
しかし、ブロック報酬を求めるマイナーはこうした攻撃があると報酬がもらえない可能性もあるため、被害に遭ってしまう。
また、「モナコインは開発が止まっている」という声がしばしば上がるが、モナコインは常に稼働しており、ノードとその他ユーザーも問題なくつながっている。
静かなのは、正常な証拠と言えるだろう、先ほども紹介したがアップデートもきちんと行われている。
さらにコミュニティが活発になり、海外取引所への積極的な上場を目指してほしいとの思いもあり個人的には今後も応援したい。
【モナコイン(MONA)の取扱開始予定日に関するお知らせ】
GMOコインは2021年12月1日(水)よりモナコイン(MONA)の取り扱いを開始いたします。
なおサービスに不具合が発生したなどの場合、取扱いを延期または中止する場合がございます。あらかじめご了承ください。https://t.co/ns5HtpjO5v pic.twitter.com/EYSkCpX93i
— GMOコイン【公式】 (@gmo_coin) November 25, 2021
ちなみに、GMOコインにも上場したので、こちらも是非チェックしてみてほしい。
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